司会:このたびは「センター第3問から」を出版されました。おめでとうございます。
菊池:ありがとうございます。初めて子どもができたような感じです。
司会:「お手軽出版ドットコム」からの出版を決めたきっかけを教えてください。
菊池:原稿が7割ほどできた時点で、実は別の出版社に問い合わせをしてみたのです。良い返事もいただいて、その会社からの出版に向けてさらに準備を進めていました。担当者も決まっていたので、使って良い表現について質問などもしていましたね。
司会:その時点で「お手軽出版」は考えていなかったのですか。
菊池:いいえ、考えていました。ただ、全体で何ページになるのか見当がつかず、「自動見積り」に入力することができなかったのです。
司会:でも、当初の会社を選ぶことをしませんでしたね。
菊池:はい。単純計算した1冊あたりの費用が高く、「印税」という耳に心地よいことばも、実際のところ私に還元される割合は低く抑えられていたのです。逆に原稿が完成し、正式な見積りがその出版社から送られてきたことで「お手軽出版」での見積りも可能になり、比較検討をすることができました。
司会:やはり、「お手軽出版」のほうが優れていたのですか。
菊池:はい。印刷部数を10部単位で決められるのが第一に助かったことです。私の本は読者が大学受験生と非常に限定されています。素人が初めて自費で出版する学習参考書が、1000部も2000部も売れるわけはありません。作る側は出版社の担当者から煽られることもしばしばあるそうですが、その点に関しても「お手軽出版」は無縁ですね。
司会:本文を製作する過程はどうでしたか。
菊池:原稿はワープロで完成していましたし、文章そのものも自分で納得していたものなので簡易編集をお願いしました。修正箇所は、黄色のマーカーを施したように表示されるので見やすかったですね。それに、その修正を入れた理由はメールに別記してあり、よく理解できました。あえて使った表記のゆれは、これは当方が申告していたのですが、確実に原稿のままでした。
司会:レイアウトはどうでしたか。
菊池:センター試験の問題を挿入しながら本が進むので、どの問いのどの部分を使うのかをこちらで細かく指示していました。しかし、その指示に合わせるとレイアウト上非常に見づらくなる場合も出たようです。そのときは柔軟に対応していただきました。英文解釈力の非常に優れた方が編集を担当してくださったことに感謝しています。
司会:イラストや装丁デザインはどうでしたか。
菊池:イラストと装丁デザインは、地元の大学のサークルに直談判して学生さんに作ってもらいました。プロの方でも良かったのですが、費用の面と年齢が読者層に非常に近いことが魅力だったからです。
司会:学生さんに依頼して実際はどうでしたか。
菊池:本文に入れるイラストについては問題なかったのですが、装丁をデータ化する技術はさすがにプロには及ばず、提出しても2度にわたりダメだしを食らいました。担当した学生さんは知識不足を謝ってくれましたが、それは私とて同じことでした。本文に入れる入試問題も解像度が低いことを指摘され、入稿し直しましたから。
司会:学生さんもプロの世界を垣間見ることができましたね。
菊池:そうですね。彼女は学校の先生を目指しているそうですが、今回はかなり勉強になったと言っていましたよ。
司会:本の仕上がりはどうでしたか。
菊池:期待にたがわず、すばらしい仕上がりで満足しています。
司会:「お手軽出版」に「ここをこうしたほうが良い」など、改善を提案するところはありますか。
菊池:流通に関してですが、配本地域を都道府県単位で指定できるというものの、実際は取次会社の意向が強く反映されるとのことなので、最初からその点を明記してもらいたかったです。ただ、たとえそうであっても、今回のように希望は希望として提出しましたけれども。極端な話ですが、地元の岩手県には1冊も配本されなくてもよいと思っているくらいですから。
司会:ほかにはありますか。
菊池:レイアウトの関係上、原稿の文字に打ち直しが施されたとき、これには表紙の文字も含まれますが、誤植が生じたことです。人の手による作業なので100%完璧ということはありませんし、私の事前のチェックにより事なきを得ましたが、打ち直しの際の確認は慎重に行っても足りないことはないと思います。
司会:なるほど。良かったところを教えてください。
菊池:依頼、つまり申込みをする前に、自費出版を手がける数社から見積りを取りましたが、「お手軽出版」は明朗会計で製作費用を最も低く抑えられました。そして、それ以上に重要なことですが、売り上げ分のうち私に還元される予想金額が他社よりも高く、2倍を超えるケースも多くありました。あと、納品までの期間も他社に比べて1カ月ほど短いと思います。今回は、私のほうで装丁を最初からしっかりと作っていれば、正味3カ月くらいで完成したと思います。
司会:そうですか。自費出版なら「お手軽出版ドットコム」なのですね。では、最後に一言お願いします。
菊池:檜岡さんをはじめスタッフの方々には本当にお世話になりました。お金が続くようでしたら、また来年も本を作りたいと思っています。あと、冗談であることを前置きしますが、増刷依頼のご連絡はお早めにお願いします。
司会:そのように伝えておきますね。本日はありがとうございました。
菊池:とんでもないです。こちらこそありがとうございました。