20年かかって、やっと仕上がった渾身の作品。
けれども、データ容量にすると、1枚の写真よりうんと小さな、わずか1.58MB。その時、耐え難い焦燥感が芽生えました。
(このままで終わりたくない……犬キューピットを世に出さないと死にきれない)
しかし過去、いろいろ文学賞に応募しましたけれど、歳は五十を過ぎ、チャンスがどんどん狭まってくると、今までと同じではだめと考えた。
文学賞を目指す問題点も見えてくる。
1.一度応募したら著作権の関係から1年間身動きがとれない。
2.狙うテーマ、ページ数、締め切りが合致することが少ない
3.あの最優秀作どうなった?と賞が売れ行きと合致しない
となると手段は「自己出版」だが、専門書はともかく、小説を書く者には「禁じ手」と言われる。
安易に手を出せば「作家気どり」と言われるし、夢を食い物に高額な請求に引っかける会社もある。
そんなわけで自己出版には手を出すまいと決意していた。
けれども、ふいに飛び込んで来たお手軽出版ドットコムの自動見積もりを見て決意が揺らいだ。
(安い。手が出る。時代は変わった。文学賞にこだわる必要はないかも……)
SNSで有名人が書き込み一つが売れるこの時代、これで人生を賭ける勝負ができるなら思い、出版を決意しました。
以下の評価は他の人と同様、優秀だから、省きます。
とはいえ、B6サイズ、276ページ、200冊。電子出版込みで約36万円。
出版としては安価でも、決して簡単に出せる額ではないですから、これが手ごたえ無ければもう出版はない。
そんな心構えでのぞんだ今回、ゆえに反省点は、校正刷りはやったほうがよかった。紙でなければわからない点があると気づいた。
とにかく、吹けば飛ぶような1.58MBのデータが、本にすることで魂がこもりました。
再挑戦できればいいなぁ。
人生への後悔が確実に一つ消化できました。(笑)
書籍体裁 | ソフトカバー B6判 |
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本文仕様 | モノクロ 276ページ |