eコラム10 CMYKとRGB

c印刷に使う色とデジタルで使う色の違いは?

みなさまは「フルカラー」と聞くと、いくつの色を思い浮かべるでしょうか?
12色? 24色でしょうか?

色鉛筆やクレヨン、絵の具などは、膨大な種類の色が存在しています。「白色は200色ある」との発言が一時期話題になったことを覚えていらっしゃる方も多いでしょう。
しかし、インクを使って行う印刷や、スマホやパソコンで表示するデジタルデータは、もっと少ない数で色を表現しています。
印刷は基本的には4色、デジタルデータは3色でほぼ全ての色を表現しているのです。

cCMYK ~印刷に使う4つの色~

印刷に使用されるのは、基本的には4色のインクです。フルカラーと呼ばれる印刷の場合も、これらの色を混ぜ合わせて様々な色を表現します。
使われるインクの4色は、CMYKと呼ばれます。

C=シアン(青)
M=マゼンタ(赤)
Y=イエロー(黄)
K=キー・プレート(墨=黒)

の4色、いわゆる「色の三原色+黒」です。

子どもの頃、絵の具で絵を描くときに、赤と青を混ぜて紫を作ったり、いろいろな色を混ぜすぎて黒っぽくなってしまったり、ということを体験したことがある人は多いのではないでしょうか。
印刷も同様に、CMYのインクを混ぜて多彩な色を作っているのです。

cK=キー・プレートとは

では、K=キー・プレートとはなんでしょうか。
一言で言ってしまえば、「黒」の版です。

青・赤・黄の3色を混ぜれば黒色に似た色を作ることはできますが、濁ったような黒色になってしまい、綺麗な黒とはなりません。
また、黒一色のモノクロ印刷で良い場合も「黒」を印刷するために、3つの版が必要になってしまい、印刷費が跳ね上がってしまいます。
そのため、黒は特別に版を用意する必要があります。
これがキー・プレート(黒色の版)です。

元々は輪郭などの細部を表すために使用された印刷版のことで、通常黒インクのみが用いられていました。
また、キー(Key)には「基本的な」とか「基準」という意味もあります。

これらのことから、現在でも黒の版をキー・プレート(K)と呼ぶのです。
Kの版があれば、この1色で、綺麗な黒色印刷が手軽にできる、優れものです。

cRGB ~デジタルで使う3つの色~

印刷のお話からは逸れますが、もうひとつの三原色をご紹介します。
それは、「光の三原色」と呼ばれる3つの色です。これらは、

R=レッド(赤)
G=グリーン(緑)
B=ブルー(青)

の3色で、RGBと呼ばれます。

このRGBは、光の色、つまりデジタルデータで使用される表現色です。パソコン、スマホ、デジカメ、テレビなど、ディスプレイ上で光を使って色を表現するものは、このRGBを使って色を出しています。

光を混ぜると明るくなり、RGB全てを混ぜると白い光になります。
逆に、色が無い=光がないところは暗くなり、黒く見えるのです。
これだけでも、インクのCMYKとは全く異なるということが分かるかと思います。