eコラム08 印刷方式 ~オフセット印刷とオンデマンド印刷~

c2種類の印刷方式の違いは?

書籍を印刷するための印刷機というと、どのような機械を思い浮かべますか?
家庭用のプリンターや、コンビニのコピー機、オフィスにあるプリンターなどはイメージしやすいかと思います。
しかし、書籍を印刷するために使用する機械は、そのどれとも違います。

書籍印刷に使用する印刷機は、大きく2種類に分かれます。
オフセット印刷機と、オンデマンド印刷機です。

cオフセット印刷とは

オフセット印刷とは、オフセット印刷機を使用した印刷方式です。
オフセット印刷では、印刷するページごとに金属の「版」を作り、その版を使って紙に印刷を行います。

モノクロ印刷であれば黒の版のみを作成します。
フルカラー印刷は、C(シアン:青)・M(マゼンタ:赤)・Y(イエロー:黄)・K(キー・プレート:黒)の4つの色を使用しますので、この4色の版を作成します。
印刷は、この4色分の版に1枚の紙を順番に通して、インクを色を重ねていく形で印刷します。

オフセット印刷では、通常、大きな紙に複数のページを面付して印刷を行います。1枚当たり、16ページ・32ページなど複数のページを面付して一度に印刷し、折りたたんで「折」を作ります。

最終的に、全てのページを順に並べ、全ての折を重ねる丁合作業を行ってから、ページの3方向を裁断して製本します。

オフセット印刷機については、印刷工場の様子でも説明しておりますのでぜひご覧ください。

>>印刷工場の様子

cオンデマンド印刷とは

オンデマンド印刷とは、オンデマンド印刷機を使用した印刷方式です。

オンデマンド印刷機では、オフセットとは異なり、版を作らずに機械から直接紙に出力を行います。
版を作らずに出力を行うため、単ページずつの印刷となるので、オフセット印刷のような丁合作業が必要ありません。

cオフセット印刷、オンデマンド印刷に向いている本は?

オフセット印刷は、ページ・色ごとに版を作ってインクで印刷を行います。このため、印刷の精度はかなり高くなります。写真集や画集など、フルカラーの繊細な印刷を行うことが可能です。
また、一度版を作ると同じものを使用して印刷ができるため、大部数の印刷に向いています。

オンデマンド印刷は、版を作らずに、一般的なコピー機と同様に直接紙にトナーで出力をするため、少部数の印刷に向いています。ただし、オフセット印刷のような、繊細なカラー表現が少々苦手です。

カラーを綺麗に印刷したかったり、大部数の印刷の時はオフセット印刷、少部数をお得に印刷したい場合はオンデマンド印刷がお勧めです。