eコラム02 出版費用の違い

c会社によって自費出版費用が大きく違うのはなぜ?

「小説を書いたからこれを自費出版したい! いろんな出版社で見積を取ろう!」
数日後、各社の見積が出そろいました。比べてみると、
A社:20万円、B社:80万円、C社:300万円……

貴方は疑問に思うでしょう。
「なんで同じ原稿なのに、こんなに費用が違うんだ?」と。
高すぎても費用を払うのが苦しい、安すぎてもなんだか怪しい、かといってそれだけでそこそこの金額のところに決めるというのは違う気がする。

これは、見積の内容をきちんと比較していないから起こる疑問です。
どの会社も、その会社の決まりに則って見積金額を算出しています。
金額が違う、ということは、その費用内で行ってもらえる仕事内容が違う、ということです。

c見積が安いときはこんな理由

例えば、費用がかなり安いという場合にありがちな1つ目の理由が、「完全データ入稿」しか受け付けない、ということです。
完全データとは、「そのまま印刷できる状態のデータ原稿」のことです。
この状態のデータだと、出版社側での組版(レイアウト)の作業が不要となり、その作業費がかからないため安くなることが多いです。
しかし、著者がきちんとしたデータを作成しなければいけないため、知識も必要ですし、時間もかかってしまいます。

また、2つ目の理由として、流通範囲が限られている、ということもあり得ます。
「書店の店頭への流通は出来ない」「Amazon上の販売のみに限られ、Amazon.co.jpからの販売ではなく、マーケットプレイスでの個人出品扱いになる」 などといったことはありがちです。
これは、特に問題と考えなければそれまでですが、中には「ネットが使えないから書店店頭で買いたい」とか、「個人出品のものは買わない」というような人もいるので、必ず確認しておくようにしましょう。

また、昨今ではかなり減りましたが、印刷や製本の品質が悪いから安い、ということも稀に考えられます。
できれば、その出版社の既刊やサンプルを実際に見て確認しておくと良いでしょう。

c見積が高いときはこんな理由

逆に、見積が高いという場合も、いろいろな理由が考えられます。

まず考えられるのは、出版社による文章の校正・校閲などの作業が入っている場合です。
文章の誤字脱字などの単純なミスの確認である校正作業から、その記載内容が正しいのかどうかを確認する校閲作業まで、様々です。

見積が高くなる出版社というのは大手出版社が多いですが、そういった出版社は、ほとんどが自費出版だけでなく商業出版も行っています。
商業出版も行っている会社だと、たとえ自費出版の本であっても、しっかりした内容の書籍にしなければいけません。他の出版物の評判にも関わるためです。そのため、自費出版であっても、出版社による校正・校閲の作業を必ず付けなければいけない、ということがほとんどです。
この校正や校閲の作業は、一部システムで行う部分もありますが、ほとんどは人が目視でチェックをしています。
人の目で一字一句確認するという作業に、かなりの時間と労力がかかるのはお分かりいただけると思います。
時間や人件費がかかるので、校正・校閲作業が入ると、費用が高くなりがちなのです。

同様に、「内容についての相談をしたい」「打合せをする中で、担当者と一緒に構成を考えたい」という希望も、人が頭を使って考える作業であるため、費用が高くなってしまいます。

校正・校閲や内容へのアドバイスなど、その実務経験を重ねた人間が時間を割いて対応するような内容は、費用が高くなるものなのです。

c見積金額と仕事内容をきちんと比較しよう

こうやって見ていくと、「費用の差にはきちんと意味がある」ということがご理解いただけたと思います。
ただ、自費出版では、見積費用の内訳が明記されていないことも多いです。
内訳が無いと、なぜ費用が安いのか、なぜ費用が高いのかが分かりません。
費用に疑問を持ったら、見積が高い場合も安い場合も、その要因と見積費用の内訳を出版社に聞いてみましょう。

お手軽出版ドットコムでは、内訳がわかる自動見積もりをご用意しております。ぜひご活用ください。